PROJECT #001

緑が丘の家

主要用途:一戸建ての住宅 / 敷地面積:49.36㎡ / 建築面積:26.25㎡ / 延床面積:70.92㎡ / 構造:木造3階建

わたしの自邸です。

家族全員が日々の暮らしを愉しめるように、そして、互いを信頼し合えるように。
所々に居場所をつくりながらも、自然と言葉を交わせて、触れ合える距離感を大事に設計しています。

家族の共通する趣味と各々の趣味や興味とが、関連しあって一緒に愉しめるように、必ずホームグラウンドを拠点に各エリアとつなげています。

料理・発酵食品・子育て・アウトドア・ホームシアターなどの各エリアが、直接もしくは細長い廊下や階段を通して、それぞれホームグランドであるリビングと繋がっています。

玄関扉をくぐると、薄暗くて細長いトンネルようなエントランス。

外の世界との距離感を演出して、家族だけの居場所を感じられるようにしています。そして、我が家を訪ねて来てくれた人たちにも外の世界を忘れて楽しんでいってもらえるように。

長い通路を突当たると、階段が現れます。1F奥には水回り、さらに奥に寝室があります。階段の先に壁のように大きな扉があって、その扉の開け閉めでプライベートスペースの距離感を調整しています。扉を閉めた時のイメージは、ルイスバラガン自邸のホールで体感したような、階段と敬虔な光だけが存在している場所。空気感と静寂で一旦立ち止まれるように。

ホームグラウンドであるリビング。漆喰壁にあたった天空光は柔らかく部屋に広がります。そしてホームシアターの投影スクリーンとしての役割もあります。床・壁・天井、それぞれの素材が呼吸をして環境を整えます。

各エリアにつながる動線や階段がこの部屋のオープンな属性を表現していて、かつ、目線も先へ伸びるので数値的な面積以上に広く感じられます。狭小住宅地のため、あえて隣地の見える窓は一掃して、空からの光だけを取り入れています。さながら穴倉のよう。空とだけ繋がっているかのような空間構成は、ストレス社会から離れて、家族だけで愉しめる居場所を演出しています。

細長い部屋。今は私の仕事部屋兼ライブラリーになってます。散らばったところどころにあるスペースがいろいろな居場所へ変化していきながら、成長していくはずです。我が家はモノを極力持たない・増やさない生活をしていますが、本だけは別で、ジャンルを問わず、身近に肉薄しています。

建築関係・衣食住ライフスタイルが多いですが、歴史文化・子育て・茶道・生理学・小説・漫画などなどジャンルは興味の数だけ多岐に。家族の興味が交流する場所の一つです。

3階の多目的スペース。将来の子供部屋。屋上へのはしご。バルコニー出入り口。2階とは正反対で外部とのつながり…だらけの場所。この場所のおかげで2階が息苦しくなりません。天候を感じる場所。太陽や月や星に出会う場所。光や風がなだれ込んでくる場所であり、街とのつながりを感じさせてくれる場所でもあります。

バルコニーから外壁を見ている写真。外壁は我が家オリジナル。人気塗装職人Nとの共作で「空」をイメージしています。

外壁はキャンパス、自由に絵を描いて欲しい、ただしお題は「空」。というわたしの無茶振りにNが答えてくれました。わたしと同じ1977年生まれのNと、プロジェクト77を立ち上げ、「空」とはなんぞや…という問答からスタートしました。

打合せを重ね、空→光→水面に映る光の移ろい、を表現することになりました。結果的に、背景となる空の景色によって色々な表情を見せてくれます。