PROJECT #8

イグアナとホームシアターの家

PHOTO / ATELIER YUIM

キッチンからダイニングへ伸びていくカウンター。

竣工後の食事会。

キッチンと一体型のダイニングテーブルに座りながら、シアターとイグアナを見ていると、飲み屋さんのように次から次へと食事がダイニングへ運ばれてきます。

打合せのときに想像していた通りの食事風景。

なんだかすごく嬉しくなりました。

僕自身、食べること・飲むことが大好きですが、Iさん夫婦も同じでした。

呑兵衛というものは、良い意味では、食が大いなるコミュニケーションの場となります。

悪いところは、食事の時間がダラダラと続くことになります。

飲みながらつまみを作り、作ったらすぐに飲み始める。

キッチンとダイニングテーブルの関係性がとても重要なのです。

調理後、するりと横にスライドするとすぐに着座して、飲み始められるこのキッチンは、呑兵衛の食卓です。

PHOTO / ATELIER YUIM

シアターリビングルームのシート兼 スチール階段

シアターリビングは、ご主人の最大にして唯一のご要望でした。

家の中で映画館になったらどんなに良いことか!?その要望の強さは尋常ではありませんでした。

初めて自宅の壁に映像が映し出されたときのことは忘れられません。

130インチほどの映像が漆喰壁に映し出され、歓声が湧き上がりました。

写真の階段の中段は、2人並んで座れるカップルシート。

階段下のスペースは、みんなのお気に入り、寝転びながら観れるリラックスシート。

もちろん食事をしながらダイニングからも観れるし、リビングに寝転びながらもOK。

キッチンからは少し遠いけれど、かろうじて観られます。

この家の中心の一つは、130インチのシアターです。

ちなみに大の映画好きのご主人。

毎週のように観に行っていた映画館は行かなくなり、家にこもってお酒を飲みながら、ほぼ毎日映画鑑賞しているのだとか…

PHOTO / ATELIER YUIM

エッジを効かせた階段からダイニング・キッチンへ

この住まいの容積は数字上の面積以上に感じられると思います。

特にエントランスを入って、大きな回転扉を開けたときのインパクトは、外からは決して想像できない景色です。

リビングでシアタールームを演出するコツは、光量の調整、音の配慮、そして外世界を感じさせないこと。

開口部の計画がとてもシビアな検討を求められます。

PHOTO / ATELIER YUIM

エントランス

かなりの収納量を確保したエントランス。

靴だけではなく、日用品や掃除機など、意外とあればあっただけ嬉しい!!という場所に収納を確保することが重要。

クライアントの生活をじっくりと観察・想像して、少しスペースが余っているくらいがちょうど良いと思って設計しています。

出来る限り、クライアントには、施工に参加してもらっています。

とは言っても、参加できる主だったところは、「塗装工事」でしょうか。

この日は、私が絶大なる信頼を置いている長田さんに、クライアントの指導をしてもらい、一緒に塗装。

図工の先生をしている奥様がいつの間にか職長になっていました(笑)

 

CG / ATELIER YUIM

初期案

十分に打合せをしてからの設計だったので、スムーズにプランが決まりました。

そしてCGを見せると、ほぼ一発で方向性を共有することができました。

実際の明るさはある程度の計算と勘が頼りですが、表現としてのCGは、随分リアルになったと思います。

最近は、模型よりもCGで見せることの方が、空間認識を共有できている気がします。

今までの設計生活で一番印象に残るコンセプトでした。

イグアナ × ホームシアター 

奥様は、外見からは想像できない爬虫類好きでした。

図工の先生をしている奥様は、造形を趣味としていて、粘土で色々なものを創作しています。

爬虫類の何が好きかというと、なめかわしい皮膚がたまならいのだとか….。

そんな奥様の好みが旦那さんにも飛び火。

最初は嫌だったけど、今はちょっと好き、だそうです。

ご主人の趣味は、映画鑑賞とサウナ。

どちらの趣味も極めており、趣味の範囲は軽く超えています。

大好きな映画は酔拳。

この住まい、とても気に入ってもらっています。

そしてこの度、待望の第一子。

住まいができてから、そして子供が出来てからさらに、ご主人が、今までしなかった家事等を積極的に手伝ってくれているそうです。

幸せいっぱいに暮らしてもらうこと、設計者のこれ以上ないご褒美です。