エクセルギーの視点
私たちは、
建物の中でエネルギーを使って暮らしています。
暖房、冷房、照明、換気。
現代の建築は、多くのエネルギーによって支えられています。
しかし、エネルギーには
量だけでなく「質」がある
という考え方があります。
それが
**エクセルギー(Exergy)**です。
エクセルギーとは、
そのエネルギーが、どれだけ仕事をする能力を持っているか
を表す概念です。
例えば、電気。
電気はとても質の高いエネルギーです。
機械を動かし、光を生み、熱にも変えることができます。
一方で、
室温に近いぬるい空気はどうでしょうか。
そこにはエネルギーはありますが、
何かを動かす力はほとんどありません。
つまり、
同じエネルギーでも
使える力には大きな差がある
ということです。
エクセルギーは、
その**エネルギーの「使える力」**を示す指標です。
そして重要なことがあります。
エクセルギーは、
環境との差によって生まれる
ということです。
高温の熱は、
周囲より温度が高いから仕事ができます。
強い風は、
空気の流れがあるから仕事ができます。
太陽光は、
宇宙と地球のエネルギー差から生まれています。
つまり、世界は
エネルギーの差によって動いている
とも言えます。
そして建築もまた、
そのエネルギーの差の中にあります。
太陽の光
空気の流れ
地面の温度
素材の熱
建築は、
それらのエネルギーの差を整えながら
人が心地よく暮らす環境をつくるものです。
エクセルギーという視点で建築を見ると、
空間は単なる形ではなく、
エネルギーの流れを整える装置
として見えてきます。
このシリーズでは、
土、木、風、光、火といった
身近な要素を通して、
建築とエクセルギーの関係を
少しずつ見ていきたいと思います。