Atelier Report

2022.06.28 木と土と火の家(自邸)

中塗工事が始まります

中塗工事が始まります。

まずは貫伏せからです!

貫部分を寒冷紗(麻)を使って覆います。

貫の上下の荒壁をつなぐ役割を果たします。

数寄屋なんかは、乾燥期間の間も愉しめるようにするのだそうです。

貫伏せ後は完全に乾くまでは次工程に進みません。

貫伏せの上下に墨を引いて、貫伏せのラインを揃えることで、

乾燥させている期間さえも、美しい空間を楽しめる様にするのだそうです。

“きっかけ”という道具です。

真壁のチリを墨付するための道具です。

直角の線を引くスコヤの様にも見えますが、左官職人さん独特の道具の様です。

今では、使用している人もほとんどいないとか。

写真の道具は自作で、持ち手は紫檀、メモリ部分は真鍮。

大工さんが鋼(指矩)を使うので、謙って真鍮を使うのだそうです。

色々な手工具を見せてもらいましたが、使い込まれた様子に、長い歴史を感じました。

道具を見れば職人の腕がわかると言いますが、

使い込まれた道具に、仕事を重ねてきた時間と努力の数が見えるからなのだと思いました。