Atelier Report

2021.11.15 研修レポート

娘と一緒に社会科見学。

2020年秋、娘と一緒に、三重県にある速水林業さんへ社会科見学へ行ってきました。

速水林業の速水さんは、日本で初めてFSC認証(世界的な環境管理林業の認証)を取得した方です。

管理されている山を散策させてもらいましたが、とても気持ちの良い山です。

植林地というと、同じ大きさの木がきれいに並んでいて、陽も差し込まない暗い森、そんなイメージでしたが、

速水さんの山は違いました。

ところどころ大きな木を残しながら、計画的に伐採しているので、バランスの良い自然な山に見えました。

数十メートル区間ごとに何年生の木を何本残すか、ということを決めて計画的に伐採しているからでしょうか、

杉や檜も大小さまざまで、下草や多くの雑木も生えています。

どこからか飛んできた種が、陽だまりに落ちると、杉檜以外の木も自然と生えてくるそうです。

林道もきちんと管理されているからなのでしょうか、よく聞く鹿害などが少ないのかもしれません。

伊勢神宮の参道に見える景色にどことなく似ているなぁ、と思いました。

子供にとって、この大きな杉は、どのように見えているんだろう。

写真を撮るから「木に抱きついてみて」とリクエストをしてみました。

木にギューっと触れることを気持ち悪がって、手を少し浮かせてます(笑

色々なお話を伺いながら、自然に近い植林地を見学して、伐り出されている丸太をみて、

今までの「杉」のイメージが少し変わりました。

より自然の恵、杉の恵を感じられるようになった気がします。

管理されずに荒れ果ている山は多く、それらの山は、等間隔に同じ径の木が並び、

間伐もできないために、径もそれ以上太くならず、陽も入らず、下草も生えず。。

山をよく見に行くようになってから、国産材といえど、さまざまな違いを感じるようになってきました。

暗くて生命力の弱った山からの木も、速水さんの所の山の木も…

どっちも「国産」なんですよね。

国産と聞いただけで、すごく良いものを使用しているように錯覚してしまいますが、

そうじゃないことが、山に行くとよくわかります。

今後は、「〇〇産の杉です」

ということが普通になり、さらには、管理者や伐採者もわかるようになってほしいと思っているのですが、どうなのでしょうか。

 

食べ物を始め、手に取る多くのものは産地や生産者がわかるようになってきた中、

一生を共に生きる住まい、の材料は見えづらいまま。。。

山を見て、林業を一部でも体験すると、多くの学びがあります。