現代の建築は、
エアコンによって室内環境を整えています。
ボタンを押せば、
夏は涼しく、冬は暖かい。
とても便利な装置です。
しかし、エクセルギーの視点から見ると、
そこには少し不思議な構造があります。
エアコンは、
とても質の高いエネルギーを使います。
それは電気です。
電気は、機械を動かし、光を生み、
様々な仕事をすることができる
非常に質の高いエネルギーです。
しかし私たちは、その電気を使って
何をしているでしょうか。
多くの場合、
室内の空気を数度冷やしたり、
数度暖めたりしています。
つまり、
とても質の高いエネルギーを使って、
わずかな温度差をつくっている
ということになります。
エクセルギーの視点では、
これはあまり効率の良い使い方とは言えません。
本来、建築には
もっと穏やかなエネルギーが存在しています。
太陽の光
地面の温度
風の流れ
素材の熱容量
そうした環境のエネルギーを整えることで、
室内の環境をつくることもできます。
もちろん、エアコンを否定するわけではありません。
現代の生活において、
とても重要な装置です。
しかし建築が、
すべてを機械に任せる環境になってしまうと、
建物そのものが
環境をつくる力を失ってしまいます。
建築は本来、
光
風
素材
熱
そうしたものを調整しながら、
人が心地よく過ごせる環境をつくる装置です。
エクセルギーの視点から見ると、
建築はもう一度、
穏やかなエネルギーを活かす技術
として考えることができるのかもしれません。