暮らしは、つくるものだと思っていました。
間取りを考え、家具を揃え、
空間を整えれば、
暮らしは完成するものだと。
けれど実際には、
暮らしは完成するものではありませんでした。
土が、水と空気を整え、
火が、時間と温もりを生み、
木が、身体に触れる。
その中で人が過ごしていくことで、
少しずつ、かたちになっていく。
朝の光の入り方や、
風の抜け方、
床に触れたときの感覚。
そうした一つひとつが重なりながら、
暮らしは、静かに育っていきます。
設計は、
そのすべてを決めることではなく、
育っていく余白をつくること。
暮らしは、
つくるものではなく、
育っていくものなのだと思います。