Atelier Report

2018.07.13 SICK "PROOF" HOUSE コラム

マイホームが原因!? 化学物質過敏症

Sick “Proof” Houseとは造語で、Sick Houseを”Proof”(防ぐ)ということを意味しています。アトリエユイムの目指す住まいは「Sick “Proof” House」です。

 

わたしは自宅の建築を機に化学物質過敏症になりました。

設計者として自宅の建築ほど愉しいことはありません。設計も工事も永遠にこのまま続けば良いのに、と思えるほど、充実した日々でしたが、完成する日は訪れるもので、その悦ばしい竣工日からは、今度は住む愉しみを追求していこうと気持ちを切り替えました。


身体の不調を感じ始めたのはちょうどその頃でした。

自覚症状がでてきたのは、引っ越しをして数日経ってからです。
原因不明の頭痛に悩まされ、頭を動かすだけでも痛くて、歩いたり急な動きをすると、強い鈍痛が襲ってきました。最初は目の疲れか、肩コリからくる頭痛だろうと軽視していたのですが、一週間経っても変化は見られません。
ところが、 不思議なことに自宅を離れると、次第に痛みも消えていきます。
これは、日頃のストレスが限界にきて、自宅に戻って気持ちが緩むと症状がでてくるのだろう、と思って、仕事を少しセーブしてみたり、あまり無理をしないようにしてみました。
多少、楽になった気はするものの、大した改善はみられずに、次第に家に帰るのが嫌になってきました。1ヶ月くらい様子を見た結果、家に帰ると頭痛が起こることがようやくわかってきたからです。その時の私の絶望感たるや、説明するまでもないと思います。

そんな或る日、別の理由で、知人に紹介を受けて医療関係者の方に相談する機会を得ることになりました。今考えれば、その先生との出会いがその後の私の人生を大きく変えたと思います

 

まずそこでわかったことは、次のふたつ。
●我が家がシックハウスではないか、ということ。
●私が化学物質過敏症ではないか、ということ。

当時の私の「シックハウス」に対する認識は、とっくに解決済みの社会問題でした。毒性が強いホルムアルデヒドだけに気をつければよくて、今となっては確認申請業務の手続きを面倒にした厄介者程度にしか思っていませんでした。

また、「化学物質過敏症」なるものは、まったく見たことも聞いたこともありませんでした。

ただ、調べてみればみるほど、自分の症状や環境に合致していたし、家族のみんなに全く変化が見られないことにも納得がいきました。

住まい内部の空気環境が一番の原因と考えられることから、十分な換気を心がけたところ、一気に症状が改善されたのです!


「化学物質過敏症」の疑いを告げられたときは疑心暗鬼でしたが、次第にそれは確信にかわり、我が家では新築から数年は一年中換気を要する住まいであることがわかりました。

注意)これも後述しますが、大気汚染を考えると、必ずしも換気だけで解決するものでもありません。

 

次回以降、Sick “Proof” Houseのコラムを連載していく予定です。
住まいづくりの際には、利便性と危険性に対して、きちんとした知識をもつことは大事なことだと思います。

また、とても面白いことなのですが、我が家がシックハウスであるが故に、ライフスタイルに愉しい方向性も生まれてきて、今ではそれが家族にとって大事なコミュニケーションツールになっていることもあります。

 

私と同じ境遇にある人の、現状の把握と打開する工夫を、共有していけるようなコラムとなると思っています。