Atelier Report

2018.08.17 ダイアリー 暮らし

身につけるものと、身体をつつみこむもの

益久染織研究所 中目黒店

 

息子AOのアトピーが酷かった時、色々試したことの一つに衣服があります。

子供のために向かったお店でつい自分のストールも購入。

手つむぎで織られたストールは本当に気持ちがよく身体にフィットする感じ。そして汗をすごく吸収するので暑い日にしていても逆に気持ちが良い。

(流石に真夏は見た目が暑いのでしていませんでしたが…)

 

子供用に肌着と汗拭きタオルを購入して今も使っていますが、タオルで拭いてあげると、じーっと動かずに大人しく拭かれています^^

多分気持ちが良いんでしょうね。

 

 

手つむぎ糸の自然の風合いは手間のかかる手仕事によるもの。

私も紡がせてもらいましたが、綿から糸になる課程を初めて見ました。

ふわふわのわたが、こうやって糸になるんだなぁ、ということが体験できます。

 

 

この時期、外を出歩いていると、いつの間にか水分が足りなくなってしまいますよね。

そこでポカリスエットなどを飲むと身体に沁みわたる感じがします。

 

手つむぎ糸の衣服を纏うと、ポカリスエットが身体に沁みわたるが如く、身体にフィットして服を着衣していないような感覚を覚えます。身体にものすごくフィットしているというか、身体の一部になってしまったかのように感じます。

 

皮膚は体温調整以外にもとても重要な働きをしていますが、その皮膚が喜んでいる感じがします。

住まいの素材についてもこれと同様で、例えば壁の仕上げがクロス仕上げの場所と漆喰仕上げの場所とでは、手触りもそこで感じる空気も全然違います。

これは感覚的なものだけではなく、数値にも現れます(それは今後コラムでも後述していきます)。

 

身体のことを勉強すればするほど、衣食住の選択基準を考えさせられます。

私たちは何を基準に、着るものを選び、食べるものを選び、住まう場所を決めるのでしょうか。

少なくとも自分の身体のことを考えて決めていない気がします。

僕たちの身体は、無意識のうちに頑張って機能してくれていますが、無意識であるが故、その恩恵に気がつけていない気がします。

 

無病息災ではなく、一病息災。

一病あることで、身体のことを気遣うことができるそうです。

それを聞いた時に、なるほどなぁ、と思いました。

無病だった時は何も考えていなかったし、病気になるなんて思いもしていませんでしたから、当然、病気の原因についても考えたこともありませんでした。

自分の経験から、病気になってから考えても良いとも思いますが、何かあった際、早期に気づけるような衣食住に対するリテラシーは身につけていきたいところですね。