Atelier Report

2018.08.27 SICK "PROOF" HOUSE コラム

VOCって何?揮発性化学物質???

Sick “Proof” Houseとは造語で、Sick Houseを”Proof”(防ぐ)ということを意味しています。アトリエユイムの目指す住まいは「Sick “Proof” House」です。

 

今日は第3回目のコラムです。

「VOC(揮発性有機化合物」について、まとめます。

 

VOCというのは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略称です。

塗料、接着剤、洗浄剤、シンナーなどに含まれるトルエン、キシレン、酢酸エチルなど多種多様で、化学物質過敏症の原因のひとつになっています。

揮発性有機化合物は、気温が沸点以下であっても、つまり常温であっても、ジワリジワリと揮発するため、気密化した住宅室内で、少しずつ揮発し蓄積していきます。夏の方が気温が高いため、より多くの化学物質が揮発し、VOC濃度は高くなります。

一方で、建築基準法では常時換気(24時間換気)というものが定められていて、住宅では0.5回/時間、すなわち2時間に1回のペースで、家の中の空気がすべて入れ替わる計算です。

 

2時間に1回入れ替わるなら気にすることはないじゃないかと、私も思っていましたが、決してそんなことはありませんでした。

実際にVOC測定してみるとよくわかりますが、窓を閉めるとすぐに数値が高くなり始め、3日もすれば結構な数値になります。無意識に、酸素と一緒に大量の化学物質を吸っていることになります。

 

当時は色々な状況、色々な処置を試しました。

光触媒・活性炭・空気清浄機・ベイクアウト…良いとされるものは一通り試しました。

以下の写真は、対処を模索している中での、我が家の新築一年目のデータです。

3/20 24℃ 40% 窓を閉めて5時間後

上の写真は玄関前(外)です。

そして手に持っている機器の、左下のVOC 0ppb(1000ppb=1ppm)というのが、VOC濃度です。

この測定器は、TVOC測定器で、簡単に言うと、特定した化学物質は測定できませんが、浮遊している化学物質のトータルの濃度を測定する器械です。

室外の空気を0ppbに設定して、室外と室内でどれくらい化学物質濃度が違うかを測定します。

リビング 170ppbです。

VOCの種類はとても多いのですが、それぞれの化学物質にそれぞれの濃度指針値が定められていますので、TVOCでは、指針値(基準値)に対する比較はできません。

ただ、住宅内部に限ると、使用されている化学物質もある程度絞られてくるので、経験的に高いか低いかわかります。

170ppbいう数字は、結構高い数値だと思います。

 

次の写真は窓をすべて開けて15分してから測ったものです。

15分後には0ppbになりました。

ただし、ここでいう0ppbは、はじめに外で0合わせをしましたから、外と同じ濃度ということを示しています。

 

わたしが小学生のころは、教室の暖房は石油ストーブでしたが、数時間おきに10分間の換気を必ずさせられました。このデータを見ると、そのときの換気の10分というのも、経験的に頷けます。

ジワジワと揮発する化学物質濃度は、常時換気だけでは、あまり効き目はないというのが、私の実体験と日々の測定からの結論です。すべての家にあてはまるわけではないかもしれませんが、かなり多くの住宅が同じ状況にあると考えています。

 

昨今では、空調設備に頼る前提での家づくりが主流で、家庭によっては、一年のうち、ほとんど換気しないという住まいも多いのではないかと思います。

東京では外の空気がきれいとは言い難い状況ですが、それ以上に室内環境は劣悪です。

早急に対応をすべきと感じますが、今の所、化学物質を発散する建材交換しか方法はありません。

費用もかかることなので、まずは知識をつけることが、一番重要なことだと思っています。

 

1日1回の換気。

 

これだけでもかなり改善をみられると思います。

ポータブルマルチモニターGX6000

使用した測定器。

画面は6分割されていて、6種類の測定をいっぺんに行うことができます。

測定器というのは男心をくすぐるものですが、2種類以上はオプション価格のため、今回は必要最小限のVOC(ppb)と酸素濃度のみ。

 

もともとは建設現場用に作られた測定器で、作業中腰にでもつけながら危険作業をすることを想定しているものなので、5000ppb(5ppm)を超えるとけたたましい警報がなります。

初めて鳴ったのは造り付けの家具の中を測ってみたときでした。

すさまじい音が鳴り響き、すぐに止め方がわからずしばらく鳴りっぱなし。

家中騒然としました。

造り付けの家具の中は空気がこもるため、揮発した化学物質の逃げ道がありません。

棚板をポリ化粧板などで造っている場合、もし気になる人は交換した方がよいかもしれません。