Atelier Report

2018.09.11 SICK "PROOF" HOUSE コラム

VOCの発生源はどこなの? [たてもの構造編]

Sick “Proof” Houseとは造語で、Sick Houseを”Proof”(防ぐ)ということを意味しています。アトリエユイムの目指す住まいは「Sick “Proof” House」です。

今日は第4回目のコラムです。

「室内を汚染するVOC(揮発性化学物質)の発生源」について、まとめます。

 

新建材には、多かれ少なかれ意識しなければ、そのほとんどがVOCを放散すると思っていて良いと思います。

主に、塗料溶剤・接着剤・ビニル製品(添加剤)・防虫剤などから揮発してきています。

これらは、決して表面だけではなく、たてもの全体から揮発していることを理解してほしいため、家が建つ順番に見ていきたいと思います。

 

1.構造体

木造住宅の上棟時の写真です。

構造体が顕になっています。

昨今では意識しなければ、構造材のほとんどが輸入材だと思います。

輸入材には防腐・防カビ・防虫のための薬剤が残留している可能性があります。

また構造材に集成材を使っている場合も、VOCの発生が考えられます。

 

集成材というのは板状の木材を接着材で接着した材料のことです。

昨今は集成材をつかうことが多くなってきました。

メリットとして、細い木材を接着して重ねることで太い木材にすることができることや、木材の変形(木材が割れたり、反ったりすること)を少なくすること等があげられるわけですが、ここで使う接着剤からもVOCは出ています。

2.下地材

現代の木造住宅では、外壁下地に構造用合板を使用することがほとんです。

合板も集成材同様に、接着剤からのVOC放散があります。

内部の下地材には、壁・天井ともに、ほとんどの場合に石膏ボードが使用されます

少し話が逸れますが、廃材が環境問題となっています。

今後の取り組みとして、土壁などで内壁をつくることをご提案できるよう準備をしていますが、廃石膏ボードの課題は、解決していかないとならないことの一つだと思います。

 

3.防蟻材

見えなくなってしまう部分でもう一つ。

土台から立上り1mまでの防蟻処理です。

下半分がオレンジ色になっていますね。

この防蟻材はシロアリから構造体を守るために塗布するものですが、VOCを放散します。

4.断熱材

断熱材からもVOCは発散しています。

壁の内部ではありますが、特に夏場外壁が熱せられ、壁面内部で飽和したVOCが、壁下地の隙間から滲み出てきます。

VOCは、夏場と冬場では揮発量が全然違います。

感覚的にも理解しやすいとおもいますが、夏場の揮発量のほうが圧倒的に多いです。

こうしてみてみると、部屋の表面を自然素材で仕上げただけでは、解決にならないことがわかってもらえたと思います。

 

 

だからと言って、全ての材料を自然素材にしなければいけない、ということではないと、ぼくは思います。

化学物質を使うことで利便性も享受しているわけですから、うまいバランスが必要なのだと思います。

今回のコラムでは、それぞれの建材がどのような化学物質を揮発していて、どの程度危険があるのかといったことまでは説明していませんが、そういったリスクを理解した上で、住まいづくりに取り組んでほしいと願っています。

 

住まいづくりは、決断の連続で、ひとつひとつの決断はつながりをもって完成形へと結び付いていきます。

素材選びに関しても、同じことが言えると思います。

 

 

次回はこの続きで、仕上材について、みていきたいと思っています。