Atelier Report

2018.10.10 SICK "PROOF" HOUSE コラム

VOCの発生源はどこなの?[たてもの仕上材編]

Sick “Proof” Houseとは造語で、Sick Houseを”Proof”(防ぐ)ということを意味しています。アトリエユイムの目指す住まいは「Sick “Proof” House」です。

今日は第5回目のコラムです。

前回のコラムでは、「建物の構造体内部から揮発してくるVOC(揮発性化学物質)」について、まとめました。

今日は、仕上材料から揮発してくるVOCについてまとめます。

仕上材からは直接室内へ揮発してくるため、構造材や下地よりも注意が必要です。

1.フローリング

床材の仕上げ材として、ほとんどの住宅に使われているフローリング。

下地の合板、施工時の接着剤、表面の塗装などから、化学物質を放散します。

フローリングの種類には、単層フローリングと複層フローリングがあり、単層フローリングとは、主に無垢フローリングと解釈してよいと思います。

現在多くの住宅で使用されている複層フローリングは、、複数の材料を貼り合わせる構造なので、製造過程で接着剤が使用されます。

床暖房時に熱せられたときにも放散量も増えると考えられるので、冬場締め切った室内への影響は大きいと思われます。

2.クロス

クロスは室内の壁面や天井面の大きな面積を占めているため、室内空気室への影響が大きい建材のひとつです。

クロスとして一番多く使われてきたのが塩化ビニルクロスです。

最近は自然素材系の住宅も多く、他の壁材が使用されることが多くなっていますが、依然、壁・天井の仕上に使われる主な選択肢のひとつになっています。

塩化ビニルクロスの原材料はポリ塩化ビニル(塩化ビニル樹脂)です。

難燃加工された紙の上に、塩化ビニルゾルを塗り、熱をかけて発泡させ、柄ロールをかけて色付けします。

そして、クロスの中には原材料以外に色々な添加剤が添加されています。ポリ塩化ビニルは硬くて柔軟性がないため、可塑剤を添加することにより柔かくして加工しやすくしています。

その他にも安定剤や難燃材などの添加材が使用されています。

3.塗装

美観や保護のために、住宅の内外装のいたるところで、塗料が使用されます。塗料にはその組成や用途、機能など様々な種類があり、そこに含まれる化学物質も数多くあります。顔料や合成樹脂などの塗膜を形成する成分を、溶剤などで溶解して作業性をたかめますが、乾燥過程においてVOCを放散します。

特に乾燥初期において多くのVOCが放散されます。

そこで、室内では有機溶剤を使用せず、水性塗料をつかうことも多いです。水性塗料は樹脂と水を乳化剤をつかって一体化させていますが、添加される可塑剤や顔料に含まれる重金属が塗料の劣化により粉状になり空気中に浮遊します。

4.建具

建具というのは、扉や引戸のことで、内部建具と外部建具があります。今回は内部(室内)建具のことです。

建具は、通常、芯材(骨組み)と表面材から出来ています。

芯材は、軽くて加工しやすい木材が使われます。

また、MDFやパーティクルボード、ペーパーハニカムなども使用されるます。

MDFやパーティクルボードには接着剤を使用するため、見えない部分である芯材についても確認が必要です。

表面材は、突き板やポリエステル化粧合板、メラミン化粧合板などが一般的です。

いづれも接着剤が使用されています。

そして、芯材と表面材を接着する際にも接着剤が使用されるため、揮発性物質の量は多くなります。

5.家具

建物に初めから作りつけられた家具も、インテリアショップで売られている家具も、同様ですが、接着剤が多く使われています。

無垢材で作られた家具でも、フレーム以外の引き出しなどは、便宜上合板類だったりします。