Atelier Report

2018.07.10 ダイアリー 講師の仕事

筋交の役割って知っていますか?

講師を務めるようになって2年目。

ストレスしか感じなかった1年目に比べると、授業自体を少しは楽しめるようになってきた。1年目、自分の能力以上のことを教えようとして空回りしていた気がしたので、2年目の今年は、あまり気負わずに、自分の実力の範囲で生徒と一緒に学ぶように切り替えてみた。

自分がまず楽しいと思える授業をする!そして、一回の授業につき一つだけ、伝えたいことを決める!

多くの内容を詰めすぎて催眠術師と化した1年目のトラウマを今年は挽回すべく、掲げた今年のコンセプトである。

 

明日は住宅構造の授業。

1日で構造のあらましを伝える必要があるんだけど、前日のこの時間で、まだ何を伝えようか悩んでいる。授業は明日に迫っている。伝えたいことを決めてから、授業構成を考えないとならないので、ビールを飲んでいる場合ではないのに、ついつい飲み始めてしまい、空き瓶が並んでいく…いやぁ困ったなぁ。

上の写真は筋交いが入っていない状態の耐力壁モデルで、土台と柱と梁を1/10で作ったもの。接合部が剛ではない四角形というのは、想像以上に安定性がないものなのです。

ここに筋交いが入ると、一気にこのブレが止まります。それを体感してほしくて作成した模型です。

 

16時頃から筋交の模型作りを始めたんですが、その後すぐに後悔することになります。

わざわざ木で作ることもないわけだけど、なぜか家具職人養成のための学校を卒業しているという、ちっぽけなプライドが、木造耐力壁の模型を木以外で作る選択肢なんかないだろう…的な…。

もっと簡易的にモデルを作ることも可能なはずなのに、自分で自分を苦しめているというかなんというか…職人気質と、早く酒飲みたい衝動とでぶつかり合いながらも…….なんとか形にすることができました。

筋交というのは、上の写真のバッテンのこと。これが入るだけでしっかり安定する。

理論ではなくて、きちんと実感して、感覚として体得してほしい。

構造というのは、生命を守る住まいの礎。デザイナーとしての構造的感覚を磨いてもらえるように…そのきっかけとなりうる授業にしたいと思います。

 

うん、明日は「構造的感覚を磨く」これでいこう。