僕は、畦地さんという人とこの人の扱う杉材がとても好きで、頻繁に顔を出してきた。
自邸をつくる際は、必ずこの杉で、しかも200年級のものと決めていた。
ただ、そういうものは中々おいそれとは市場には出てこない。
こんな杉が欲しいです、と声をかけておいて、ひたすら待つか、
もしくは、金に糸目をつけずに伐り出してもらうしかないのである。
当然、お金に余裕のない僕としては、前者のひたすら待つ作戦しか取れないわけだが、
家づくりというのは、通常は、土地を買ったら大まかなスケジュールが決まってきて、
そして各工程に合わせて材料を調達することになるから、
先に土地を見つけてしまったにも関わらず、丸太にこだわってしまうと、いつ出るともわからないまま、
ひたすらローンを払い続けながら、待たないといけなくなるのである。