Atelier Report

2018.07.16 ダイアリー

ラッセンブリ広尾 西村伊作の仕事

ラッセンブリ広尾で友人の結婚式に参列してきました。

 

ラッセンブリ広尾は、1922年(大正11年)、建築家 西村伊作の設計で建てられました。

西村伊作は、1906年、現代住宅の祖型というべき、最初の居間を中心とした住宅を建てた建築家で、教育者でもあったようです。

 

広尾駅から徒歩数分、外苑西通りか少し坂道を登ったところに、緑に囲まれてひっそりと顔を覗かせているように建物は建っていました。

石張りのアプローチを進むと存在感のある大きなケヤキの樹が建物を守っています。

ビルの並ぶ大通りから少し入っただけなのに、周りの喧騒から離れていて、建物を前にすると、妙な安堵感がありました。

外観は写真の通り、1Fの1/2を石で乱張、白い壁に瓦がのっています。一昔前の私だと見向きもしなかったデザインですが、最近ようやくこの時代の建物のにじみ出る雰囲気にも惹かれます。

いい仕事です。

内部はザ・明治の洋館といった雰囲気。

白壁に障子のようなガラス窓が付いており、柔らかい光を感じます。

先日のレーモンドさんの建物といい、日本の過渡期にあたる建築の居心地は、今まで何故軽視してしまったのか不思議なくらい、心の落ち着く空気感を醸しています。

見た目のデザインでの分類ではなく、別の枠組みでの分類で、今後、新しい価値観と居心地を追求していきたいと思います。

結婚式は人前式というスタイルで、同席した参列者が証人として行われる結婚式。

従来の型にはまらない新しい結婚式で、新鮮な驚きを覚えました。

結婚した二人を見ていると、いつも心から幸せな気持ちになるんだけど、同時に不思議な気持ちになるんです。

初めて逢う人も多いなかで、同席した人たちと自然と幸せな気持ちをわけあえる。そして、みんな笑顔。

とても良い1日となりました。

お二人とも末長くお幸せに。

 

建物については、事前のリサーチ不足。

お酒がまわっていたとはいえ、帰宅後、後悔の念とともに、懸命に景色を思い出しながらの追っかけレポート。

建物に対する嗅覚が足りていない証拠だな。その部分については、反省です。