Atelier Report

2019.08.07 研修レポート

尾鷲の山視察 [前編]

尾鷲の山視察。

畦地製材所の畦地さんにホテルまで迎えにきてもらい、早速視察へ向かいます。

まずはプレカット工場から始まりました。

プレカットの機械の実物を初めて見ました。

写真は柱加工・梁加工兼用だそうです。

一本ずつセッティングをした後、長さ決め→ほぞ穴→ほぞの順番で加工していきます。

最新の機械(大規模工場)では、材料のピックアップ・セッティングも、オートメーション化しているそうです。

ほぞが並んでます。

それぞれの「通り番号」が書かれていますね。

通り番号というのは、図面上のX軸Y軸に書かれた通り芯の記号のことで、

「た5」と書かれているのは、た通りと5通りの交点にある柱のことです。

むかしはこれを大工さんが下小屋で加工をしてから、現場へ持ってきていましたが、今では工場加工がほとんど。

一本一本をどこに使おうか考えながら、加工していくことは、今はほとんど行われず、流れ作業で一本一本セッティングするだけで、機械の出口で加工が終わっている。

次の自宅を設計する際は、一本くらいは自分で加工したいなぁ、と思いました。

プレカット工場を後にして、次に訪れたのは….

 

どーーーん!!

 

木を伐り出している山の現場。

あいにく今日は尾鷲の花火大会の日なので、作業はお休みだそうです。

尾鷲の山は海に面していて急峻です。

木を伐り出す人たちは、命をかけて伐り出しています。

今日は誰もいない山ですが、見上げると、危険と隣り合わせの現場であることが、ヒシヒシと伝わってきます。

 

この日はとっても暑くって、畦地さんと僕は、この時点ですでに汗だく。

休憩所に湧き水があって、それで水浴びしました。

 

気持ちイィ!!

 

そして飲んでみたら、すごく軟らかくて美味しい!!

(あとでホテルにあった熊野の名水を飲んだら同じ味がしました)

伐採現場近くの山を少し歩きました。

写真は、間伐されていない場所です。

木がヒョローっと伸びて密集しています。どれも直径15センチくらいでしょうか。

光を求めて上へ上へ密集して伸びています。

これだけ密集して生えているのは、明らかに植林だそうですが、こうなると、材木としては使えません。

山の管理は、どこの山も課題だと聞きますが、丸太一本の値段を聞いたら、そりゃ誰もやりたがらないな…と。

今、伐り出しているのは、先人が植えて育ててきた山の遺産だそうです。

 

このままでは、国産材が使われるようになったとしても、すでに木がないということになりかねない….

次の時代のことを考えなくてはいけないと、強く感じました。

伐採現場には木がゴロゴロ転がっていました。

そのうち、1人で持てる重さの丸太を数個いただいてきました。

何を作ろうか…思案中です。

昼食は、熊野古道センターの施設内にあります、古民家を移設してつくられた食堂で。

バイキング形式。

畦地さん、よく食べるなぁ。。

奥の山盛りが畦地さん。

このあと、またオカワリしていました!!!

 

畦地さんオススメの、三重県の郷土料理「くき漬け」

夏の食欲を掻き立ててくれます!!!

 

(後編に続く)