Atelier Report

2018.09.13 研修レポート

建築の日本展にいってきました

駒沢オリンピック公園体育館

たまに駒沢公園はジョギングしに行きますが、この体育館がHPシェルの屋根だったとは…

恥ずかしながら気がつかなかった。

美しい屋根の稜線。この角度からが一番好き。

HPシェルとしての構造の見せ方が控えめな気がしますが、それがまた良い。

サーリネンのJFK空港ビルが思い浮かびましたが、屋根の形は、こちらの方がずっと好きです。

どことなく日本的なのでしょうか。

昨日、終了間近の「建築の日本展」へ行ってきました。

何とかギリギリ間に合ったというか、無理やり時間を調整して観に行ったというか…。

その展示の中で、駒沢公園の体育館の施工映像があって、何故か魅了されてしまった。

白黒映像であるがゆえのノスタルジックか…

難題に向き合う姿勢が、現代とは違って人間的に感じました。

建築において、設計や施工のどの段階でもその状況なりの難題は、いつの時代も変わらない。

ただ、現代は、機械やコンピュータもしくはAIに頼りがちな気がしました。

人間自身の限界に挑むような、ドロドロした努力をすることをしなくなって来た気がしました。

 

また、大工の心得としての言葉に、「*五意達者にして昼夜不怠」がありますが、それと合わせて、規矩術や秘伝書の巻物の展示を見ていると、現代の日本建築の根底に流れるDNAのようなものを見た気がしました。

 

*五意…式尺の墨がね(設計)、算合(見積)、手仕事(施工)、絵様(絵心)、彫物(彫刻など)

五意が達者で、かつ昼夜怠けないで努力し続ける…という意味ですが、

なかなかそんな大工も設計者も少なくなって来た気がします、ちょっと耳が痛いなぁ、と感じながら見ていました。昨今では情報が多すぎるので、気が散って仕方がないし、やることも多く、世論も厳しいため、本意を欠いてしまうのだ…と言い訳をしている自分にただいま猛省してます。

展示会のインパクトとしては、そこまでではなかった気がするのですが、これからの日本の建築(住まい)を考える上で、ジワジワと影響し始めています。

建築はやはり面白い!!