Atelier Report

2018.07.13 研修レポート

A・レーモンド 聖パウロ教会

夏の家に続いて、聖パウロ教会の紹介です。

この教会を見たから軽井沢が好きになったと言っても、過言ではありません。

 

実は、ちょうどこの教会を訪ねた時、ミサの時間でした。中に気軽に入れない雰囲気で、教会の周りに数組の人だかりが出来ていました。

観光で訪れた方のほとんどは、中に入れず、しびれを切らして外観だけ見て帰る人達ばかり。通常であれば、ミサが終わるまで待って建築的に見学していたと思いますが、この時は家族を連れての見学だったため、そうもいきませんでした。

 

ただ、どうしても内部の空気感を肌で感じたかったので、若干抵抗を感じつつ、

「初めてでもミサに参加できますか?」と断った上で、ミサに参加させていただきました。

この時ミサに参加して本当に良かったと思います。教会の本来の使用目的であるミサに参加できたことは言わずもがな…ですが、神父さんの言葉が非常に響いてしまいました。

 

その時のお話を端的に記すと…

あなたは今日、朝起きてここへ来るまでに、発した言葉を全て覚えていますか?その言葉一つ一つに意図はありましたか?

と、いきなりこう問いかけられます。

そしてこう続きます。

あなたは家族と仲良くしたい、わざわざ喧嘩なんかしたくない、心の中ではそう思っていますよね。ですが、意図せず出る言葉が、喧嘩の発端になってはいませんか?家族円満を望んでいることを常に心に留めて求めていれば、発する言葉もその心に準じた言葉になるはずです。

みたいなことをおっしゃっていました。

なるほど、今朝起きてからの言葉など何も覚えておらぬ。家族と仲良くしたいけど、確かに最近ピリピリすることも多いぞ。

何というか、建築的な教会の雰囲気と相まって、その語りが妙に響いてしまいました。

そういう意味で、この教会はしっかりと建築の役割を果している気がしました。

 

今回の見学では、久しぶりに利用者としての目線で建築をみることができました。長い間、つくる側の目線でしか建物を見れていなかったことを気付かされました。当たり前すぎることだけど、おおきな気づきだったと思います。

 

建築的なことが二の次となってしまいましたが、今後じっくり検証したいと思います。

何事もまずは使用者目線から。その次に制作者側の目線での検証。

いつだってそのことを忘れてはいけません。

特に住宅に関しては、住まい手のことを一番に考えることこそが最重要項目です。

というわけで、再訪の際には、今度はきちんと建築目線で検証したいと思います。